”お客様は神様”という言葉を勘違いしている方が沢山います。
意味を知らずに間違った認識で使っていると恥ずかしいのは自分のほう・・・なんてことも。
この言葉がどこで生まれ、どのように広まり、本来はどのような意味だったのか。
今回は誤った意味で広まってしまった”お客様は神様”という言葉にスポットを当てたいと思います。
”お客様は神様”の間違った認識
お店側はお客さんにお金を払ってもらわないと経営が成り立ちません。
お店側からすれば、
お金を落としてくれる=お客様は神様
お金を支払うのはこちらなのだから、多少の無理も許されるだろう。
お金を払う=お客様は神様
一般的にはこのような認識で広まっていますよね。
でも、“お客様は神様”の起源をたどるとこれは誤認だと気づくことができます。
マナーの悪いお客さんのせいで楽しい時間が台無しなんて経験はありませんか?
誤認から起きたであろう経験をしたのでご紹介したいと思います。
レストランでの経験
以前、特別な日にオシャレをしてレストランへ行った時のお話です。
「お祝いだから少し奮発しておいしいものを食べよう!^^」
と、ドレスコードのある少し高級なレストランを予約しました。
お店につき席に案内されると、すぐ近くのテーブルには5名ほどのご家族がいらっしゃいました。
小さなお子様が2人、大きな声で叫んだり泣いたりしています。
そして時々走り回っていました。
子供が元気なのは仕方がない・・・とはいえここはファミリーレストランではありません。
無論お店の方がやんわりと注意してくださったので、これでゆっくりフレンチを堪能できる!
と思ったのも束の間、
私のテーブルへきてテーブルクロスを引っ張り出しました。
注意したいけど、場が場ですし注意して子供が泣いてしまったらどうしよう・・・と思うとうまく言えずニコニコしているしかできません。
肝心の親は子供には目もくれず料理を食べているのです。
そしてその時聞こえた会話が私にはとてもショックでした。
「子供見なくていいの?」
「大丈夫。お金を払うの私たちだから」
「お客様は神様でしょ!って言ったらお店の人は”ハイ”と言ってたし。」
雰囲気もいいこのレストランでの時間を楽しみにしていた私としては、残念な気持ちでいっぱいでした。
その後も肝心の親御さんは、お店の方の注意を意に介する様子はなく、子供に視線を向けることはあってもほとんど注意せず。子供は自由に叫んだり走り回ったりしていました。
幸いそのご家族は先に帰られたので、後はゆっくり食事ができました。
店員さんが最後に「申し訳ございませんでした。」と謝ってくれたことで少し気分はよくなりましたが、ご家族は”お客様は神様”という言葉について何か勘違いしているのではないかと思わずにはいられませんでした。
知人にレストランのオーナーさんがいるので聞いてみました
知人にこの経験の話をしてみると、”年に数回だけどこのようなお客様はいらっしゃる”と言っていました。
お店側としては、周りのお客様のご迷惑になるのでどうにかしたい・・・。
とはいえお客様が相手なので下手に注意はできない。
やんわりとこちらの意思をお伝えすることはできても、あとは親御さんの良心頼み。
毎回とても悲しくもどかしい気持ちになり、ご迷惑をかけてしまったお客様に対して謝ることくらいしかできないのだと嘆いていました。
”お客様は神様”という言葉はどこで誕生したのでしょうか?
“お客様は神様”という言葉は、歌手の三波春夫が、”聴きに来てくれたお客様を神様だと思い歌を唄う”という気持ちを表現した際に生まれました。
『歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払って澄み切った心にならなければ完璧な藝をお見せすることはできないと思っております。ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです。また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件です。だからお客様は絶対者、神様なのです』
この時点では聴衆・オーディエンスのことを指していたんですね。
”お客様は神様”という言葉はどのように広まったのでしょうか?
レッツゴー三匹という漫才師たちが広めました。
レッツゴー三匹の漫才の一つ
本来の意味は?
「三波春夫」の歌を、楽しもう!きちんと聴こう!とマナーを守っているお客様が大前提で生まれた言葉です。
マナーを守れるお客様=神様
お客という立場であれば、横柄な行いが許されるというわけではありません。
間違った意味で広まってしまった言葉は他にもたくさんあります。
勘違いしたままで恥をかくのは自分自身です。
レストランで遭遇した親御さんの対応に、品位はあったと思いますか?
状況に応じて、何が正しいかを見極めることができてこそレディといえるのではないでしょうか^^
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