Photo:Jordan Sarkisian
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2016年8月リオオリンピックが開催されます。
開催地リオデジャネイロは大盛り上がり。
オリンピックが開催されるとなればもちろん経済効果も期待されていました。
南米で初めてとなる五輪開催は様々な問題を生みました。
それは今でも続いていますが、メディアではいいことばかりが流れ、
その裏側に隠れてしまった部分についてはほとんど表舞台に上がってきません。
なので知らない人もたくさんいるはずです。
そこで、今回はその裏側に焦点を当てました。
(これは、長野県に出張の際、ふと目にした中日新聞のある記事を参考に書かせていただいています。)
家が、暮らしが壊された人々
盛り上がるリオ、その一方で会場隣の貧民街(ファベーラ)は取り壊し寸前。
選手や報道陣が増えお祭りムードが盛り上がる中、人々は
「私たちの夢や生活を壊さないで」
と小さな声をあげていました。
リオには1000ヵ所ほどある貧民街。
その中の1つアウトドローモ地区。
メイン会場に近いことからその入り口付近に住んでいた人たちへは様々な理由を付けて退去要求がありました。
市の圧力が続いたことで、
一時は700世帯が暮らしていた場所も今は20人ほどになってしまったのです。
メイン会場は過去、F1グランプリが行われていた場所でもあります。
五輪開催が決定した2009年以降、
・景観を損なう
・汚染を垂れ流している
などの理由をつけられ周辺への退去要求が強まったそうです。
市は地区の住民に新たな住居か資金の提供を申し出たのですが、
就労支援や職業訓練など十分な自立支援策のないまま、一時のお金を手に入れても
未来は見えてはきません。
住んでいた人々は、
「住み慣れた場所を離れたくなかった。私たちには好きな場所に暮らす権利がある」
と拒んだのでした。
2015年取り壊しが加速する
2015年、森はなぎ倒され、家は駐車場に変わりこのアウトドーモ地区の大部分を取り壊しました。
オリンピックが開催される国、
特に開催地のリオ市民、地元住民が楽しめて初めて素晴らしい五輪になるのに、
準備のために働いたこれら市民は貧しくてチケットを買うことができないようです。
立ち退きを強いられた人々は今、地区の一角に市が建てた仮設のプレハブ住宅で暮らしています。
自らの技と力を磨き上げた選手がぶつかり合うその姿を見ると誰もが勇気を分けてもらえる。
しかし、その裏で住み慣れた家を失った悲しみは大きい。
故郷で開かれる五輪を心から祝うことができない人々もいるということを忘れてはいけません。
まとめ
リオオリンピックに限らず、今までのオリンピックでも同じようなことがあったと思います。
こういったオリンピックという世界的に盛り上がるイベントによりマイナスとなることが何でもかんでもオリンピックのため、経済成長のためとプラスになることの様に言われ、実際の裏側事情がかき消されほとんど表に出てこない。
今回、この記事を目にし、この裏事情がわかったからと言って自分に何かできるのか?
と考えると、大してできることがない悔しさが込み上げてきます。
しかし、世の中はネット社会になってきました。
自分にできること、
今この記事を書いて一人でも多くの方にこういったことが裏側で起きているという事実を知ってもらうこと。
それくらいしかできません。
次に行われる2020年東京オリンピック。日本では貧民街というのはあまりないと思います。
それも私がそう思っているだけで実はあるかもしれません。
ですので、東京オリンピックでは、そして、今後のオリンピックではこういったことが無いことを願うばかりです。
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