春の七草と比べて、秋の七草はちょっとマイナーな印象がありますよね。
春の七草は「七草粥」にして食べるので、スーパーで見たことがある人も多いでしょう。
でも、秋の七草は食べるものではないんですよ。
この秋の七草、どんなものがあるんでしょうか?
また、由来ってどこから来ているんでしょうか?
実はけっこう歴史が深くって、興味深いんですよ。
ということで、今回は、秋の七草について調べてみました!
秋の七草の読み方は?
「秋の七草」は、「あきのななくさ」と読みます。
そして、この秋の七草、以下の7つの植物で構成されています。
- 萩(はぎ)
- 薄(すすき)
- 葛(くず)
- 撫子(なでしこ)
- 女郎花(おみなえし)
- 藤袴(ふじばかま)
- 桔梗(ききょう)
あなたは秋の七草、いくつ知っていましたか?
この秋の七草ともうひとつ、「新・秋の七草」というのもあるんですよ。
これは、1935年に与謝野晶子や高浜虚子など当時の小説家や詩人計7名によって選出された、新しい七草なんです。
以下の7種類の植物が、新・秋の七草です。
- 犬蓼(いぬたで)
- 白粉花(おしろいばな)
- 菊(きく)
- 秋桜(こすもす)
- 秋海棠(しゅうかいどう)
- 葉鶏頭(はげいとう)
- 彼岸花(ひがんばな)
さて、あなたはどちらの秋の七草がお好みでしょうか?
どちらも素敵ですよね!
秋の七草とは?由来や歴史
秋の七草の由来は、なんと日本最古の歌集・万葉集にまでさかのぼります。
万葉集が作られたのは、奈良時代といわれています。
そんな時代からずっと、秋の七草は日本人に愛されてきたものだったんですね。
ところで秋の七草があまり知られていないのは、春の七草と違って食用ではないというところではないでしょうか。
この秋の七草は、とっても日本人らしい楽しみ方をするものなんですよ。
春の七草は1月7日に七草粥にして食べるという風習があります。
一方この秋の七草については、決められた日に特別に何かをするということはありません。
ただこれらを目で楽しんで、秋の風情を感じていたようです。
昔から風流なものを大切にした、自然の美を愛する日本人の心がよく表れていると思いませんか?
それでは、次にその万葉集に書かれた歌の内容を見てみましょう。
万葉集に書かれた秋の七草の意味は?
さきほど触れたように、秋の七草は万葉集に詠まれた歌が由来となっています。
これは2首の歌で、山上憶良(やまのうえのおくら)という人が詠んでいます。
その秋の七草を詠んだ歌は以下のとおりです。
「萩(はぎ)の花 尾花(おばな) 葛(くず)の花 撫子(なでしこ)の花 女郎花(おみなえし) また藤袴(ふじばかま) 朝貌(あさがお)の花」
ちょっと聞きなれない植物の名前もありますね。
「尾花」というのは、「すすき」のことです。
そして、「朝貌」…。
「あれ、朝貌ってアサガオのことじゃないの?」
…と思った方もいるでしょう。
実は、この万葉集が作られた当時には、アサガオは日本にはまだなかったんです。
ですので、この朝貌とは桔梗であったというのが、現在の通説なんですよ。
これらの七草、実はそれぞれ薬草としても使われていました。
- 萩の根:咳止め・下痢止め薄の根や茎:利尿作用
- 葛の根:神経痛・肩こり・葛根湯としても有名
- 撫子:利尿作用・生理不順
- 女郎花の根:消炎作用
- 藤袴:糖尿病・むくみ
- 桔梗の根:喉の痛み・血圧降下作用
秋の訪れを感じるためだけではなかった、実用的な面もある秋の七草。
もしかしたら、これは秋の薬草の覚え方の歌でもあったんじゃないかな…なんて個人的には思ってしまいます。
まとめ
秋の七草は、鑑賞して秋の訪れを感じるものです。
歴史は古く奈良時代から親しまれている秋の七草の他にも、近代に作られた「新・秋の七草」というものもあります。
忙しい現代社会では、風流を楽しむ機会も減ってきていますが、たまには自然に目を向けてリラックスしてみませんか?
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